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第36回フェアウッド研究部会
ワークショップ「メンバーによるフェアウッドな取り組み紹介」その1
2019年3月20日(水)17:00 @東京・渋谷

2019.2.21掲載
2019.9.6更新

開催報告


今回のフェアウッド研究部会は、「メンバーによるフェアウッドな取り組み紹介」というワークショップを行いました。今回で第36回目となるフェアウッド研究部会、第34回の時点で会員が136名(個人、団体)、参加者ものべ1,500人を超え、様々な業種、立場の方々と、フェアウッド研究部会が目指す共通のゴールについて議論してきました。その流れをさらに加速させるべく、第一弾として(株)イシモクの亀井さん、鈴木さんより桐材の特性とこれからの展望を、(株)アサノ不燃の真柄さんより不燃材の歴史とこれからの展望のお話をそれぞれいただきました。

まず(株)イシモクの亀井さんより桐材の特性と桐材のこれからをお話いただきました。北海道から九州まで桐材は利用されていますが、その用途のほとんどは桐箪笥などに代表される、伝統工芸品が主でした。しかし近年のライフスタイルの変化によって伝統工芸品は使われなくなり、桐材の需要も激減しています。桐屋さんである同社が存続していくために、桐材の用途を現在のライフスタイルに合わせ、需要を開拓することでした。それは伝統工芸品という用途から床材、椅子などの家具・インテリアに変化させることでした。

次に桐材の特性について実演を交えてお話いただきました。桐材の特性に「比重がとても軽い」ことがあります。この比重の軽さは日本一であり、一人用の椅子が片手小指で持ち上がるほどでした。他に水を通さない、断熱作用が高い、へこんだ傷が修復するなどがあります。これらの特徴は桐材だけが持っているチロースと呼ばれる木部組織によるもので、木部に独立した気泡を持つことで発泡スチロールのような性質を持っているとのことでした。このようなちょっと特殊な構造を持つ桐ですが、他にも早生樹としての面を持っています。よく昔話とかである、女の子が生まれたら桐を植え、嫁ぐ時にその桐を伐り桐箪笥にして持たせるという話があるそうで、これは桐が植えてから15-20年で活用できることに基づくものです。発表の最後に2~3年で利用できる太さになる超早生樹ともいうべき桐の事例を紹介いただきました。近年増えている耕作放棄地、そこに木本類ではなく草本類とされている桐を植えることも検討しているそうです。

次に(株)アサノ不燃の真柄さんより、不燃木材が歩んできた歴史と不燃木材のこれからをお話いただきました。不燃木材のはじまりは創業者である浅野氏が、阪神淡路大震災の時に大火災を経験し、それを起こさないために開発をはじめたのだそうです。そして木材を火に強い建材にするには不燃木材と耐火木材があり、その違いは不燃木材は燃えない木材で、耐火木材は基準である一定時間強度を保ち構造体を維持できれば良い木材とのことでした。この違いはとても大きいと感じました。もし内装が耐火木材の場合、火災が発生したとき一定時間構造を維持した後、結果として燃焼してしまい、同時に室内の家具等も燃焼してしまいますが、不燃木材であれば火災時に内装が燃焼することが無いため家具等の回収可能性が高まることになります。

その内装材として使えるように同社はとてもデザイン性に富んだ不燃木材を開発しています。商品名はSUSANOH(スサノヲ)、古事記に登場する日本神話を代表する神であり、守護神として一面を持つ名前を付けたそうです。災害から守るものという意味が込められているそうです。このSUSANOHは適切な処理を施すことで、注入剤と木材に分解することができ、環境にやさしい製品となっています。

SUSANOHは天然物である木材に、工業品である注入剤を注入しています。不均一なものに均一なものをかけあわせて、均一なものができるかというとそうではありません、そのノウハウこそが同社が有する技術です。また不燃木材にするために注入剤を注入する際、木材に節があるとその部分には注入されません。近年無節材の価値が下がっていて、消費者が無節材を求めなくなったからだと言われていますが、不燃木材に活用することで無節材の価値が上がるのかもしれないと思いました。

(成田 陸/フェアウッド・パートナーズ インターン)

フェアウッド研究部会は2019年1月には34回目を迎え、研究部会メンバーは136名(団体・個人)、のべ参加者もおよそ1,500名になっています。様々な立場・業種の皆さまが、森林・林業、木材利用に対して、ご自身の関心と目的をもって参加されることで、生産的かつ楽しい話し合いが行われてきたと感じています。

このような流れをさらに加速させるべく、今回の研究部会では、メンバー企業のフェアウッドな取り組みとして製品・サービスをご紹介いただくワークショップを企画しました。フェアウッドのメンバー同士の将来的な連携・協業の可能性を探る機会として、多くのメンバーのご参加をお待ちしております。

●開催概要
日 時:2019年3月20日(水)17:00~20:00(開場:16:30)
場 所地球環境パートナーシッププラザ(〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-53-70国連大学ビル1F、http://www.geoc.jp/access/、03-3407-8107)
会 費: 3,000円(懇親会費1,000円を含む。当日受付でいただきます)

プログラム(内容は予告なく変更することがあります)
第1部:ワークショップ
1.「使う人に優しく」上質な住空間を実現する桐材のこれから
(株式会社イシモク)
2.「燃えない街・国を目指して」不燃化技術で広がる木材の可能性
(株式会社アサノ不燃)

第2部:懇親会


ワークショップ1「使う人に優しく」上質な住空間を実現する桐材のこれから
株式会社イシモク
新潟県加茂市から、省エネ効果や高い安全性、そして癒しの「桐空間」を提案して45年。床暖房を必要としない桐床材は、保育園や幼稚園、マンションでの活用も増えてきています。復元力の実演などを通じて、今後の桐材の可能性を切り拓くため、国内での調達や、さらなる活用シーンの増加を目指して、皆さまとの意見交換を期待します。

ワークショップ2「燃えない街・国を目指して」不燃化技術で広がる木材の可能性
株式会社アサノ不燃
環境保全・地域振興の視点から国産材の利用が叫ばれる中、一方では各種法令の制限は基より、火災安全は木材においても必須課題です。
アサノ不燃と(一社)都市防災不燃化協会は、行政や研究機関と木材に難燃性能を付加してその信頼性を高めて、都市防災にも寄与する不燃化木材を提案しています。
山を宝にする為にも都市での活用において、鉄やコンクリートに勝る防耐火の技術が、スギ・ヒノキのさらなる可能性をひろげます。

【お申込み】
お申し込みフォームにてお申し込みください。
フォーム記入ができない場合、「第36回フェアウッド研究部会参加希望」と件名に明記の上、1)お名前 2)ふりがな 3)ご所属(組織名及び部署名等)4)Eメールアドレスを、メールにてinfo@fairwood.jpまで送付ください。
※定員60名


【お問合せ】
  • 地球・人間環境フォーラム(担当:坂本)
    http://www.fairwood.jp、info@fairwood.jp、TEL:03-5825-9735
  • ワイス・ワイス(担当窓口/広報課 野村)
    http://www.wisewise.com、press@wisewise.com、TEL: 03-5467-7003

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