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連続セミナー生物多様性保全に役立つ「合法木材」調達報告
第一回「海外木材生産国の現状と違法伐採対策の現在

2011.11.4掲載


冒頭のイントロを話す佐々木

第一回は、「海外木材生産国の現状と違法伐採対策の現在」と題し、世界の木材加工・流通の中心へと成長を遂げた中国における木材産業の現状、および世界の違法伐採の概要と先進的な違法材規制を導入した米国レイシー法とEU木材法に関連した最新情報を中心に、海外からの木材および木質製品輸入に際した違法伐採と合法木材調達の今をご紹介しました。また林野庁から日本政府の違法伐採対策についてのお話もいただきました。

第一回:海外木材生産国の現状と違法伐採対策の現在

日時:2011年10月26日(水) 14:00-17:00

場所:環境パートナーシッププラザ(GEOC)


【資料ダウンロード】
プログラム・講演者経歴など(PDF 0.2MB)

1.イントロダクション:海外の木材生産国の現状(PDF 1MB)
  フェアウッド・パートナーズ/FoE Japan 佐々木勝教
2.違法伐採対策の推進について(PDF 1.1MB)
  林野庁木材貿易対策室長 小澤 真虎人氏/
   林野庁木材貿易対策室木材専門官 滝 勝也氏
3.日本向け中国製木材製品のフットプリント(現地取材に基づいて)(PDF2.3MB)
  神奈川自然環境保全センター 山根正伸氏
4.米国レーシー法・EU木材法 違法伐採対策の一環としての新規制(PDF 2.4MB)
  ディープグリーン・コンサルティング/フェアウッド・パートナーズ 籾井まり

【報告】
フェアウッド・パートナーズ(国際環境NGO FoEJapan、地球・人間環境フォーラム)の主催で、連続セミナー「生物多様性保全に役立つ合法木材調達」の第一回が10月26日に東京・表参道の環境パートナーシッププラザ(GEOC)にて開催されました。、約60名の参加により14時から17時の3時間、熱心な議論が展開されました。今回は、3回連続の第1回目であり、「海外木材生産国の現状と違法伐採対策の現在」について、以下のテーマを中心に議論しました。

・世界の木材加工・流通の中心に成長を遂げた中国における木材産業の現状
・世界の違法伐採の概要とそれを規制する米国レイシー法、EU木材法の最新情報


セミナーは、佐々木勝教(FoE Japan)の司会で、進められました。


質問に答える滝氏
(1) 「日本政府の違法伐採対策の推進」
小澤真虎人氏(林野庁木材貿易対策室長)と滝勝也氏(林野庁木材貿易対策室木材専門官)から、それぞれ挨拶と取組み報告をいただきました。 概要は以下のとおり。

国際的に見ても違法伐採の原因は複雑である。違法伐採に対して日本国内では、グリーン購入法等国内法を整備し違法伐採木材製品を市場から排除するよう法的措置を講じる。木材生産国に対しては中国やインドネシアで実施している支援や技術協力を進める。

(2) 「海外木材生産国の現状と違法伐採対策の現状」
連続セミナーのイントロダクションとして佐々木勝教から話題提供しました。

まず本連続セミナーの目的を確認し、次に国内外の動向をレビュー。また、世界の違法伐採の種類や要因を整理し、、最後に国際的な法規制(EU木材規制やレーシー法)を紹介した。


質問に答える山根氏
(3) 「日本向け中国製木材製品のフットプリント(現地取材に基づいて)」
山根正伸氏(神奈川県自然環境保全センター)より報告をいただきました。 講義の内容は以下のとおり。

日本の中国木材製品の輸入は、2007年以降1位。中国側から見た木材製品の輸出は、日本は米国についで第2位。両国は密接な関係にある。 次に中国東北部製品のフットプリントの状況について、数社の現地調査を踏まえた上、報告。中国のフットプリントの確認は、ロシアを経由する等流通経路が多岐にわたるため、合法原材料の調達が困難になるケースがある。 一方で中国の森林認証制度の動きが本格化し、PEFCとの近々に連携する。


(4) 「米国レーシー法・EU木材法」
違法伐採対策の一環としての新規性について、籾井まり氏(ディープグリーン・コンサルディング/フェアウッド・パートナーズ)より報告をしました。 講義の内容は以下のとおり。

ヨーロッパにおいては、2003年より「FLEGT行動計画」が実施されている。この行動計画は、森林破壊・違法伐採を制限するもの。また、森林生産国の合法性システムを整備し、透明性を向上させる目的を持っている。 「EU木材法」は2010年に成立し、2013年に適用開始。内容は①違法木材をEU市場に持ち込まない。②木材製品が合法木材である。(デュー・デリジェンス)③トレーサビリティーの確保、であり、ほとんどの木材製品が対象となる。 1900年に制定された米国レーシー法は、2008年に改訂され、民間業には次のような義務が発生している。①輸入申告(学名・原産国・数量等)②記録の保持等③デュー・ケア(サプライチェイン管理の義務)

次回、2回目の連続セミナーは11月30日(水)に開催されます。大勢の皆様のご参加をお待ちしています。

【今後の予定】
2011年11月30日(水)
第二回「震災復興を支える国産材の現状と木材調達におけるハイリスク製品」


2012年1月25日(水)
第三回「木材利用におけるリスクとフェアウッド導入のメリット」


【主催・問い合わせ先】
フェアウッド・パートナーズ
国際環境NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム
TEL:03-6907-7217 / FAX:03-6907-7219(FoE Japan 佐々木)
E メールアドレス:info@fairwood.jp

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