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事例その3 株式会社 ワイス・ワイス (家具メーカー)


フェアウッド調達の先陣を切るインテリアショップ

株式会社 ワイス・ワイス 表参道

 日本での木材消費の用途は、建築関係、製紙関係が大部分を占めていますが、3番目に多く木材を使用しているのは家具業界だと言われています。(※1)

 古くは大航海時代から、家具業界ではより上質な美しさ・手触り・耐久度などを兼ね備える素材を求め、多種多様な木材が使用されてきました。現在も日本各地のインテリアショップでは、色々な木の名前を目にする事ができます。

 多くの方がご存知の通り、今の日本には柔らかい針葉樹ではなく、家具に適した堅い国産の広葉樹を「4定」(※2)で供給する事ができません。家具業界の多くは外国産材を仕入れる必要があるのです。

 人々が使う家具には、日本ではない、どこか遠い森の木が使われていて、誰もそれを気にしない、感じない。そんな人と森が断絶されてしまった今の日本で、私たちは先進的な取り組みを進めるインテリアショップに出会いました。

森を壊さず、育てる商品を
 株式会社ワイス・ワイスは、東京・表参道に店舗を構え、オリジナルデザインの家具を企画・販売しているインテリアショップです。私たちフェアウッド・パートナーズとは2008年からコミュニケーションを続けてきました。

 現在までに同業他社とのネットワークでの勉強会や、仕入先協力メーカー向けの勉強会を実施しながら、国産広葉樹材の生産現場を訪問し、具体的な製品化へ向けた検討を進めてきた結果、2009年の秋には国産広葉樹を生かしたフェアウッドな新作家具を発表、同時に「グリーンプロジェクト」を宣言し、使用する木材についての調達方針を策定しました。

 これは建築業界から既に先駆けている積水ハウスや東急ホームズと同様に、単なる「エコ・アピール」ではなく、わたしたち消費者との約束です。

ワイス・ワイス グリーンプロジェクト 4つの取り組み
その3 「森を壊さず、豊かな森を育てます」





以下の木材を積極的に活用します。
→ 生産地や生産者が明らかな木材 - 国内産の木材
→ FSCなどの森林認証を受けた木材

以下の可能性がある木材はできるだけ使いません。
→ 原産地や樹種の不明な木材や違法伐採された木材
→ 生態系を破壊して伐採された木材や絶滅が危惧される木材

フェアウッド・パートナーズ 中澤健一
 「家具を販売するインテリアショップでも、このような包括的なフェアウッド方針を導入していただいたことは とても画期的なことです。
 高品質な木材を要求される家具というジャンルでは、海外の天然林から来る木材が圧倒的なシェアを占めていますが、その中には違法伐採のリスクの高いものも多くあります。
 ワイスワイスの方針は、リスクの高い木材を切り替え、全ての木材の合法性確認を目指すと共に、国内の木材資源を最大限活用していこうとする、高い志を持った取り組みです。
 すでに国産の広葉樹材を活用しながらモダンなデザインを実現した 新モデルも発表され、今後の取り組みにますます期待しています。」

(フェアウッド・パートナーズ 中澤 健一)

 もちろん突然全て国産材にするわけにもいきません。それでも同社が定めた調達方針には、「どこの森からきた木材で家具を作っているのか」という点に加え、積極的に活用するものに「国内産」と明記されていることや、「生態系を破壊している木材かどうか」という指標がはっきりと盛り込まれています。

 さらに同社は、フェアウッドの取り扱い量を2012年までに100%にすることを目指し、5年以内に国産材の調達割合を50%以上に増やすことなどを目標に据えています。

新製品:秋田県産のクリ材、SATOYAMAシリーズFORESTシリーズ
 調達方針を定めてひと段落と思いきや、ワイス・ワイス代表取締役、佐藤 岳利氏はすぐに次のステップへと踏み出しました。国産の広葉樹材を使った新しい製品です。
佐藤氏は当時の想いを次のように振り返ります。

SATOYAMAシリーズ
 「今、日本経済は世界同時不況の影響からなかなか脱することができず、中国をはじめとする海外からの大量で安価な商品の流れは加速する一方で、デフレの流れは一向に治まる様子がありません。

 安くて便利なものは、生活者の暮らしを楽にし、多くのメリットをもたらしてくれる一方、顔の見えない商品や製品による安全や健康へのリスク、使い捨てや資源の乱獲などによる環境への影響など、諸問題がますます顕在化してきています。

 また、世界の森林が急激に減少し、違法伐採問題や地球温暖化の危機が叫ばれて久しい現在においても、その流れは一向に変わる様子がありません。一方、国土の7割を森林で覆われている日本の木材自給率は20%であり、国産木材は行き場を失い、林業は成り立たず山は荒れています。

 木材やその他資源を使う家具・インテリアメーカーとして、私たちにできることはないか?  地球環境と未来の子どもたちのことまでを考えた家具づくりはできないのか?  今から2年前、私は『地球環境と未来の子どもたちのことを考えた家具づくりに本格的に取り組もう』と決断し、社内に『エコフレンドリー委員会』を設立しました。 しかし言うは易し、具体的に何をどうすればいいのか良く分からず、一人、思考錯誤しているときに出会ったのが、FoE Japanさんです。」

社員全員で挑む、本当の「豊かな暮らし」
SATOYAMAチェア

 フェアウッド・パートナーズとの協力体制を始めて間もないころ、FoE Japanの中澤が話した中で、佐藤氏が覚えているのは以下のような言葉だったといいます。

 "まず自分たちに何が出来ていて、何が出来ていないのかを明らかにすること。理想の姿、目標を描き、掲げ、そこに至るまでの工程表を書くこと。そしてその情報をオープンにすること。"

 "いま、環境先進企業と言われる会社でも最初はみんな同じです。心配することはありません。全ての情報を開示して、目標に向かって取り組んでいる姿勢を見せることが肝心なのです。数年もすればワイス・ワイスさんも環境先進企業になってますから。大丈夫ですよ!!"

 「まだ何も出来ていない弊社が、全ての情報を開示することは、売上げを減少させることになるのではないか、そもそも協力工場、業者の方々はこのプロジェクトに協力してくれるのか。社内外の心配をよそに、私は環境配慮型の木材調達を中心にした『グリーンプロジェクト』への取り組みを本格的に開始しました。
 この『グリーンプロジェクト』において、ワイス・ワイスは合法木材など『フェアウッド』の割合を2012年までに100%を目指すほか、5年以内に国産材やFSCなどの認証材の調達割合を50%以上にすることを目標に掲げ、今では全ての協力工場の方々の協力を得て、社員と一緒に力をあわせて、日本で最もグリーンなインテリア・家具ブランドの一つになることを目指し、現在その活動に邁進しています。」

(株式会社ワイス・ワイス 代表取締役 佐藤 岳利氏)

ワイス・ワイスが提唱するのは本当の意味での「豊かな暮らし」。
木材を取り扱う企業として、森を壊さず、 森と共に生活するスタイルを
生活の身の回りに家具を通じて伝えています。

フェアな木材で出来た家具がもつストーリーを、ユーザーに伝え、
共感を生む姿勢には、社員の方々一人一人の職人としてのこだわりを感じさせられます。

今後もフェアウッド・パートナーズはこの真摯な姿勢に学びつつ、 様々な形で協働していきます。

(※1)…(財)日本木材総合情報センター「企業セミナー・木づかいのススメ」
(※2)…定量、定質、定価、定時が必要とされる、現在の流通事情に沿う条件を表した言葉。

リンク:SATOYAMA サトヤマ(チェア) - ワイス・ワイス
ワイス・ワイス - 森を壊さず、豊かな森を育てます
株式会社 ワイス・ワイス トップページ

★ワイス・ワイス社の取り組みが、下記の媒体でも掲載されました!
興味のある方は是非ご一読下さい。

「家具新聞」2010年5月5日号(一部抜粋)
 株式会社ワイス・ワイス(佐藤岳利社長)は4月21日、ワイス・ワイス表参道店でプレス向け新作発表会とセミナー「1時間で分かる『森林の現状』を開催した。セミナーの冒頭で佐藤社長が挨拶し、四月より環境配慮型の木材調達を中心にした「グリーンプロジェクト」を開始したことについて述べた。
 同社が創業以来行ってきた取り組みでもある長期使用にこだわること、安全な材料を使用することに加え、森を壊さず豊かな森を育てること、温暖化防止・環境負荷削減に尽力することを説明。現在行っている具体的名取り組み例を紹介したほか、今後の方針として伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材・木材製品の"フェアウッド"を2012年までに100%にすることを目指し、5年以内に国産材の調達割合を50%以上に増やすことなどを宣言した。

ほか 「ホームリビング」2010年5月15日号
「リフォーム産業新聞」2010年5月18日号

フェアウッド・パート-ナーズでは木材調達に関するご相談を随時受け付けております。
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