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フェアウッド世界のニュース 第67号 2010年3月2日

今月は木材に関係のある方々には興味深いニュースが目白押し!いつもより多く13件のニュースでお送りします。


●2010.2.19 Jakarta Post:違法伐採業者、コミュニティ林業を狙う
インドネシア、スマトラ島南端に位置するランプン州、Bukit Barisan Selatan国立公園とWay Kambas国立公園の間に広がるコミュニティ林業地帯から、違法伐採業者が掠め取るようにして違法伐採の手を広げているという。
西ランプン州林業局長、Fauzi氏によると、ここ最近押収される違法伐採業者の木材は地域住民が運営する植林地帯のものだという。同地帯は理想的な森林再生プロジェクトのモデルとして効果を上げて以来、多くの国々から専門家が当地を訪れている、ジョグジャカルタ特別自治州に次いでコミュニティ林業が成功した地域であるとのこと。
原文はこちら(英語)
http://www.thejakartapost.com/news/2010/02/19/environment-watch-illegal-loggers-target-community-forests.html

●2010.2.17 AP通信:アラスカの伐採問題、企業側敗訴
米国地方裁判所は、アラスカのトンガス地区の国有林(国内最大の国有林)における、さらなる伐採と道路建設が懸念されていた企業側の上告を棄却した。この上告は、伐採企業各社、アラスカ南東部の市民団体、および幾人かの財界人によって起こされた訴訟であり、南東議会とアラスカ森林協会は、このブッシュ政権による2008年度のトンガス地区開発計画に真っ向から立ち向かっていた。各環境保護団体はこの判決を小さな勝利として歓迎しており、当局は現在の受け入れがたい計画をさらに悪化されるのを防いだとしている。同団体らによると、このブッシュ政権による計画ではアラスカの原生林と地域住民の聖地を保護できないとのこと。
原文はこちら(英語)
http://news.yahoo.com/s/ap/20100217/ap_on_go_ot/us_tongass_logging

●2010.2.10 BusinessGreen.com:日本の支援、世銀の再生エネルギー、森林 減少対策プログラムに弾みをつける
日本政府が支援を約束した1億ドルは、発展途上国の森林管理と、再生可能エネルギーへの投資を支え、世界銀行による気候変動プログラムの資金基盤を固め、運用フェーズへの移行に弾みを付ける格好となった。ワシントンで行われた「再生可能エネルギー拡大プログラム(SREP)」小委員会では、日本はこのプログラムに4000万ドルを、また「森林投資プログラム(FIP)」には6000万ドルを支援するという。
なお、この2つのプログラムは、複数の利害関係者による60億ドルの「気候投資基金(CIF)」により創設された2つの基金のうちの1つ、世界銀行による「戦略気候基金」を原資としている。
原文はこちら(英語)
http://www.businessgreen.com/business-green/news/2257638/donations-kick-start-world-bank

●2010.2.9 インドネシア政府、10億本植林プログラム「追跡可能」
インドネシア政府は8日、二酸化炭素排出対策のため10億本植林するプログラムについて、陸生植物に関する国際評価基準に従う予定であると補足した。
インドネシア林業大臣Zulkifli氏によれば、林業省の予算により50万ヘクタールの土地に5億本を植林し、残りの5億本は産業造林(HTI)内で事業を行う民間企業で植林されるものを計数する。しかし、前年度の植林事業の大部分は民間企業の所有する土地内で行われ、評価不能な状態になっているという。そこで、今年度の植林事業は全て気候変動に関する国際会議上で決定した調査・報告・評価(MRV)システムによって評価される予定であるとのこと。
原文はこちら(英語)
http://www.thejakartapost.com/news/2010/02/09/one-billion-trees-program-%E2%80%98verifiable%E2%80%99-govt.html

●2010.2.8 Mongabay.com:アジア最大の伐採企業、汚職で告訴される - パプ アニューギニア
パプアニューギニアの地方組織、Asples Madangが、億万長者Tiong Hiew Kingを会長に据える業界最大の伐採企業、Rimbunan Hijau(RH)を告訴した。Asples Madangの訴状によると、マレーシアの企業であるRH社は、贈賄又は強引な方法による地域住民からの不法な土地接収の疑いがあるという。
この訴訟は、違法に与えられたという森林地区において、現在2ヶ月に亘って同社の伐採事業を停止させている。しかし、各環境業界の反応は、本来RH社を追い出す目的で始められたこの活動(訴訟)は「一時しのぎ」に過ぎないだろうとの見方を示している。
原文はこちら(英語)
http://news.mongabay.com/2010/0208-hance_rh.html

●2010.02.02 中国質量新聞網:ガボンが原木輸出政策を調整
ロシアが何度も原木輸出税を引き上げ、原木輸出規制政策を打ち出したのに続き、「森林の国」と呼ばれるアフリカのガボン共和国は2010年1月から原木の輸出を禁止した。数百社の家具、フローリングなどの木製品加工企業が集中する浙江省嘉興などは、アフリカの木材に依存する割合が高い。このため、検査検疫部門は関連する企業に対し、1.注文書を受ける際、十分に原材料の供給状況を考慮し、原産地及びコストについて詳細に評価、審査すること、2.国内及びその他の地区の木材資源について十分に調査すること、3.木材供給国の政策変更に注目し、特にガボン共和国周辺のアフリカ諸国の木材輸出制限に関する法規制に注意すること、などの注意を呼び掛けた。
原文はこちら(中国語)
http://www.cqn.com.cn/news/zggmsb/dierban/296361.html
※参考:ガボンは中国の原木輸入量第5位、毎年約100万立方メートルを輸入しており、中国が輸入するアフリカ材の約45%を占めている。

●2010.2.5 環境省:グリーン購入法「カーボン・オフセット認証ラベル」導 入
「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)第6条第1項の規定に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」は、平成22年2月5日にその変更について閣議決定した。基本方針に定める特定調達品目とその判断の基準等は、環境負荷低減に資する物品等への需要の転換をさらに推進するため、毎年度、見直しを行っている。
今回の変更では、11品目の追加、1品目の削除及び52品目の基準等の見直しを行い、19分野256品目となった。また、基本方針の「3.その他環境物品等の調達の推進に関する重要事項」において、環境負荷の低減に資する物品としてカーボン・オフセット認証ラベルが盛り込まれた。
参考(日本語)
http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/kihonhoushin.html

●2010.2.4 Mongabay.com:EU、バイオ燃料生産用のパームヤシ農園を森林と して扱うかどうか検討中
ある筋からリークされた欧州委員会の文書によると、熱帯雨林がバイオ燃料生産用パームヤシ農園へ次々と転換されていく事を憂慮する各環境保護団体のため、欧州連合はパームヤシ農園を森林として分類する事を計画しているという。
こちらの草案(.pdf、979kb)によると、次のような文脈を使用しようとしている事が示唆されている。『樹冠面積が30%以上、かつ樹高5メートル以上の樹木が占める連続した人工林。現在、幼木であっても将来それに達すると予想されるものも含める。』、『これらは通常、森林、林業地、パームヤシ農園などの商業農園などを含む』、さらに『樹高と樹冠面積を満たす場合、短期輪作農園も含む場合がある』と定義されている。
環境保護団体FoEヨーロッパのバイオ燃料キャンペーン担当者Adrian Bebb氏は「この文書は森林破壊を防ぐよう設計された欧州連合の法にパーム油を通してしまう、恥晒しの法案だ」とコメントした。
原文はこちら(英語)
http://news.mongabay.com/2010/0204-palm_oil.html
(参考)2010.2.16 Jakarta Post:インドネシア林業省、パームヤシ農園を森
林に含めるか検討を開始
http://www.thejakartapost.com/news/2010/02/16/palm-estate-forest-says-ministry.html
(参考)2010.2.23 Jakarta Post:インドネシア、パームヤシ農園が森林扱い
となっても転換を促進するわけではないと表明
http://www.thejakartapost.com/news/2010/02/23/oil-palm-plantation-not-forest%C2%A0sector-govt.html

●2010.2.3 四国新聞社:環境保全PR、FSC床材を商品化/南海プライウッド
南海プライウッドは2日、森林管理の国際認証(FSC)を取得し、森林環境の保全に配慮したフローリング材を商品化したと発表した。発売は4月を予定している。同社はFSC認証合板の購入、保管と認証合板を使用したフローリング材の製造、販売に関する認証を、1月21日付で取得した。
対象商品の「アートフロアLIP6オリジナルシリーズ」は、厚さ6ミリのフローリング材。FSC認証合板を使用した基板の上に化粧紙を張った商品で、高い耐久性やリフォームに使用しやすいことが特長。価格は従来製品と比べ、7~10%割高となる。
全文はこちら(日本語)
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/article.aspx?id=20100203000088

●2010.2.2 インデペンデント紙:地球温暖化、樹木の成長を200年中最も早い 速度に促す
米国東部での研究の結果、気候変動現象の効果により、北半球の森林は過去200年間中最も早い速度で成長していることが判明した。
これらの樹木は大気中の二酸化炭素濃度の増加、および成長に適した期間の増加により成長率を加速したとみられている。この調査を行った米スミソニアン研究所(メリーランド州)のチームは55の広葉樹林における22年間の調査記録から、最も古い樹木が示す過去225年のうち最も早い速度で成長している事を結論付けた。同研究所の森林環境学の専門家、ジェフリー・パーカー氏によると、北半球の森林が大気中の二酸化炭素の影響を緩和する重要な要素になり得るとコメントしている。研究結果では、森林1エーカー当たり毎年2トン程度の炭素吸収が促進されていると推測されている。
原文はこちら(英語)
http://www.independent.co.uk/environment/climate-change/global-warming-makes-trees-grow-at-fastest-rate-for-200-years-1886342.html

●2010.2.1 産経新聞:王子製紙がラオスで植林事業を拡大 木材チップの安定確保へ
王子製紙は1日、ラオスで実施している植林事業を南部5県にも拡大すると発表した。現地子会社を今月設立し、3万ヘクタール(ha)で植林を行う。原料となる木材チップの安定確保などにつなげたい考えだ。
同社は90年代から本格的に海外植林に乗り出し、すでにオーストラリア、ベトナム、中国など7カ国の約20万haで実施。ラオスでは南部で2005年から開始し、面積は25,000haに達している。今回の植林では、同国南部のチャンパサックなど5県で、焼畑農業などで荒廃した土地25,000haに、40年にわたり成長の早いアカシアとユーカリの木を植える。また地域住民に苗木を提供し、育ててもらった植林木を買い取る「農民植林」も5,000haで実施する。
全文はこちら(日本語)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100201/biz1002011703018-n1.htm

●2010.1.27 日経新聞:ウッドワン、森林管理協議会(FSC)から適正木材と認証、8工場・拠点で
ウッドワンは、適正に管理された森林で伐採した木材の利用を示す森林認証を、国内の建材工場や海外の加工・流通拠点で取得した。4月からドアや床材などで認証製品の出荷を始める。官公庁や大手住宅メーカーで、自然環境保護に留意した適正木材の製品を採用する動きが広がっているのに対応、出荷体制を整えて競争力を高める。
今月半ばまでに、国内4工場と中国・上海やフィリピンなど海外の4拠点で、国際的な第三者機関「森林管理協議会(FSC)」による認証を取得した。同社グループはニュージーランドで68,000ヘクタールの森林を経営しており、森林管理から建材の加工・流通まで自社で適正木材を供給する体制を確立した。
全文はこちら(日本語)
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20100126c6b2601t26.html




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編 集 : 坂本 有希/三柴 淳一

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