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フェア-な木材を使おう
3.皆伐跡地の林地残材と格闘? 忘れ去られた本来的「熱エネルギー源」
国際環境NGO FoE Japan 副代表理事 岡崎 時春
3月の彼岸時、購入した林地で始めて「森林整備作業」を試みた。

1.2haの皆伐跡地は下部と上部にアクセス道路(5m幅)がある。岩場や沢の瓦礫があるため、道路から見る限り、林地に残材はそれほどないと見受けられた。従って、素人でも植林のための歩道が作れるだろうと軽く考えて作業を始めた。

ところがどっこい! 急傾斜地を上下する作業に慣れてないこともあり、すぐに息切れがする。これは高齢が原因とも思うが、「歩道作り=林地残材整理」であることを実感させられた。岩場や瓦礫の上部は地表に見えているが、それ以外の苗を植える筈の土壌の表面は殆ど見えないのだ。それ程に林地残材が多い。

ここは、60年生の杉の皆伐跡地。樹高は25m前後、4m材なら4玉、6m材なら3玉までは運びだすが、その梢末は直径15cmもあり、枝葉がついたまま林地に残されている。その数はおよそ500体、これを素手で動かすのは大変なことである。勿論、3玉目・4玉目の枝葉も林地でチェーンソーで切り落とされて残されている。大きな根株部分も地上60cmは残され、バイオマス量としては、林地から運び出されたものと、林地に残されたものは50・50くらいではと推定される。

ここ静岡県には、合板工場や大規模集成材工場がないため、林地から運び出される丸太は殆どが製材所向けで、末口径が16cm以上が求められる。そのため林地残材の割合が多くなるのでは、と推察される。

つい50年前なら、日本でも薪炭利用が盛んであり、炭焼きや柴刈りにより、これら林地残材のかなりの部分が利用されていたのに、今は天竜の山奥でも煮炊きや暖房には、プロパンガスや灯油が都会から運び込まれて普及している。こんな近くに数千年の長きにわたり利用されてきた熱エネルギーの資源が、近々の数十年に、返り見られなくなるとともに、大量に捨てられてしまうことになった。一方でエネルギー資源の枯渇・奪い合いが起こっているのに、忘れ去られている林地残材の利活用は「もったいない」の一語に尽きる。しかも薪炭利用であれば、カーボンニュートラルであり、再生可能資源でもある。

林地残材は苗木育成の肥料として必要との声もあるが、これほど多くの残材が必要とは思わない。残存分の半分程度を熱エネルギーに利用しても、人工林は再生すると信ずる。

植栽後の、鹿・忌避剤散布や、下刈りのための歩道作りと思って始めたことが、実は「地拵え」という林地残材整理であることが体感・実感させられた数日の作業であった。

日本で、薪炭以外の熱エネルギー資源材料が使われ始めたのは、明治の初め、今から100年前でしかない。運搬・移動用にエネルギー資源材料が大量に使われ始めたのは、第2次大戦後、今から50年前でしかない。地球温暖化防止のために、ライフスタイルの変革が求められている、いまや多くの人が、江戸時代の生活には戻れないという、しかし、その前の数千年もの間、自然エネルギー・再生可能エネルギーのみに頼って生きてきた我々の祖先がいるのだ。私の年代の前後の数世代が、ライフスタイルをこんなに変えて、人類滅亡に突き進もうとしている。人間は、1/10馬力(0.37kw)の動力を内在している。1日8時間、人生60年、この動力を使うことが可能だ。人間の持つ動力と自然エネルギーだけで、人類が生き残るためのライフスタイルの変革が可能だと私は考える。スポーツジムやジョギング・ゴルフなどで無駄に人間動力を費やさずに、畑仕事・山仕事にその動力を使うべし、というのが私の持論でもある。
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