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| サプライヤーの評価 |
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パッカー氏は「ティンメット社は90 年代半ば、ブラジルからのマホガニーの輸入に関して、FoEなど同国の環境保護団体から強いキャンペーンにさらされ、リスク管理の一環として環境方針を策定する必要性を強く感じるようになりました」という。
その後、1996年に環境方針が策定され、環境コーディネーターが任命された。現在では、環境対策の部署(Environmental Department)にはパッカー氏を含め4 人のスタッフがいる。この規模の会社にとってはかなりの力の入れ方だ。ちなみに現在のマネージャーであるパッカー氏は、外部からきた専門家である。
同社が環境方針の下で開発した木材調達手法は、サプライヤーをグレード評価するという手法だ。
まず、サプライヤーへの質問状では、環境面で信頼性が高いAから、質問に対する回答内容がよくないFまでの評価を行う。その際、第三者から得た情報も併せて、E-Mail、電話、FAX、会合によって確認する。その上で、国ごとに、違法伐採の割合や紛争の有無、森林減少の状況について評価を行う。また、樹種についても、IUCNのレッドリストの分類やUNEP−WCMC の樹種分析(注)によって評価し、国の評価と併せて、高・中・低とリスクレベルの分類を行う。
同社は、北米、ヨーロッパ、アフリカ、東南アジアなどの600社以上のサプライヤーと取り引きし、数千種類もの製品を取り扱っているので、優先順位を付けてリスクの高いものから取り組まなければならない。
リスクのない FSC認証材や、合法性が確認されFSC取得に向けて行動計画が実施されている林地からのもの、アメリカのホワイトオーク材など、リスクの低い場合はそれ以上の調査は行わないということだが、「カメルーンのサピリ材など、リスクの高いものについては、現地を訪問して森林管理の状態を調査したり、追加の質問票を送ったり、コンサルタントに依頼し、環境への取り組み方針の内容、実施状況、管理計画、伐採地やその環境などについて徹底した調査を行って評価しています。また、最近では、サプライヤーごとだけでなく、出荷単位での評価を行う取り組みも始めているところです」とパッカー氏は言う。
同社ではこのような徹底したリスク評価に基づき、リスクの高いサプライヤーからの取引を順次削減している。「この削減計画は、取締役会において承認されるため、上層部の全面的なサポートを得ながら全社で取り組んでいくことができるのです。」
注 CITES付属書I、IIの基準を基にした樹種の貴重性に関する分析。例えば、南米の天然針葉樹材で最も商業価値の高いブラジルマツ(Parana
pine)は、IUCN(International Union for Conservation
of Nature and Natural Resources)のレッドリストでは危急種(Vulnerable)に分類されているが、CITESの付属書Iに分類され得る、貿易されるべきものではないので、それを考慮している。
> UNEP−WCMCのWEBサイト http://www.unep-wcmc.org/ |
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| 森林認証制度に対する考え方 |
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木材には、合法性や持続可能性を確認したものと、確認していないものがあり、確認したものについても、合法性のみのもの、信頼できる認証を受けたもの、その間のものがある。
ティンメット社では上記のように確実な情報を基にして可能な限りリスクを削減しているが、さらに、認証材についても積極的に調達するようにしている。取り扱っている認証材の割合は、2 年前は0.1%だったが、現在は8〜9%に達しており、同国の認証木材市場の30%のシェアを占めるという。
現在、世界中には様々な認証制度が存在しているが、同社では、FSCが最も信頼できる認証制度であると評価しており、他の認証制度は不十分な点があることを認めつつも、第三者機関によって何らかの確認がされたものとして価値があると考え、いずれも受け入れている。
認証制度の評価は、(1)「トレーサビリティ」、(2)「合法性」、(3)「持続可能性」の3つの点で分析し、例えば、マレーシア木材認証協議会(MTCC, Malaysia Timber Certification Council)はそれぞれ、(1)「○」、(2)「○」、(3)「×」、PEFC(Programme for the Endorsement
of Forest Certification schemes)はそれぞれ(1)「○だが必ずしもそうでない」、(2)「○」、(3)「○だがうまく機能していない場合もある」として使い分けている。それぞれの認証制度の実際や欠点については顧客に情報提供をしているという。
また、認証材でない場合でも、認証取得に向けて改善段階にある森林を確認する制度もあり、そうした森林からの木材の市場価値を高める必要があるということで、できる限り選ぶようにしている。 |
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| 取り組みを進める要因 |
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ティンメット社の顧客には、公共事業の孫請けなどを行っている小さい建設会社が多い。このため、イギリス政府が策定した「木材が違法なものではないという証明が必要」という木材調達方針はこれらの企業に対して大きなインパクトをもたらした。
また、投資家からの圧力も強い。同社の重要な顧客である建材大手のTravis Perkins(トラビス・パーキンス)社は、投資家から合法で持続可能な木材だけを調達するように要求されている。イギリスでは、環境団体からのキャンペーンを受けた会社は、売上が減少し、
株価が下落することもあるため、投資家は社会的な批判にさらされるリスクがないことを会社に強く求めるという。 |
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| 取り組みのコストについて |
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中小の建設会社は、政府の木材調達方針の策定を受けて、合法な木材や持続可能な木材を納入することが求められるようになったが、多くの場合、持続可能な木材や森林認証制度、認証に向けて改善している木材、政府の戦略などについて、などの専門的な知識や情報が不足している。ティンメット社は、自社の購入方針の策定・実施に取り組んできた経験を生かし、このような顧客に対しても環境戦略を進める手助けをすることができるという。
また、トラビス・パーキンス社のように大手企業は、投資家からの圧力を受けており、仕入先に対して明確な要求をしてくる。ティンメット社は、このような要求に対しても信頼のできる木材を供給できるため、同業他社に対する大きなアドバンテージをもつようになった。ちなみに、トラビス・パーキンス社が環境戦略を導入したことで、同社との取り引き額は一年間で2倍になったという。
「我々はNGO からのバッシングという逆風を、順風に変えることに成功しました。我が社が築いたリスク・マネジメントの手法は、多くの顧客企業にとっても活用可能であると自信を持ってアドバイスしています。我々が自社の購入方針の策定・実施に費やしたコストは少なくはありませんが、これにより、顧客を維持できるだけでなく、新しい顧客を得ることができています。このコストは、広告やマーケティングにかかるコストと同じような投資であり、この投資は、それに見合う以上の利益を生み出しています。」 |
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> Timbmet社 http://www.timbmet.com
> Travis Perkins社 http://www.travisperkins.co.uk/ |
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