| フェアウッドマガジン 第10号 INDEX |
January 2005 |
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| 1. |
続・危機的な中国の森林事情
「木材特需を支えるロシア材」 加工に沸く国境地帯/日本向け輸出も急増 |
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前号に引き続き、中露国境木材流通事情について、児玉洋子さん(日本農業新聞記者、日本環境ジャーナリストの会所属)に報告していただきます。
空前の木材景気に沸く中国東北部のロシア国境地帯は、いまや「ロシア材の輸入基地」。その現状と、その背景である中国林産業事情について鋭く掘り下げていただきました。 (日本農業新聞記者 児玉洋子) |
| 2. |
シリーズ顔の見える山村 <北海道下川町> 第2回 |
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日本各地の取り組みをご紹介するシリーズ、北海道・下川町編。2回目の今回は現在に至るまでの経緯について、危機を好機に変えたターニングポイントや、現状の問題点、課題点などについて赤裸々に綴っていただきました。
(さーくる森人類 奈須憲一郎) |
| 3. |
東海地方で森のプレゼントプロジェクトが始まる! |
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2005年1月11日、豊田市にて「森のプレゼント」プロジェクトの記者発表が行われました。FoE Japanをはじめ、NPO、木材業界、一般市民とのコラボレーションにより、皆様の身近に間伐材、未利用材などを含め国産材製品を普及させようというプロジェクトです。
プロジェクト形成の背景やプロジェクトの目指すものなどについてご紹介いたします。 |
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1.続・危機的な中国の森林事情 「木材特需を支えるロシア材」 加工に沸く国境地帯/日本向け輸出も急増 |
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| 日本農業新聞記者(環境ジャーナリストの会所属) 児玉洋子 |
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中国東北部、ロシアとの国境地帯はいま、空前の木材景気に沸く。列車や船でロシア極東から運ばれた針葉樹や広葉樹の原木は、中国辺境の”木材の街”で床や柱材、家具などに加工され、欧米のほか日本にも輸出される。木材自給率50%でありながら、木材資源を輸入して、加工、輸出しており、国内と海外の両方の製品市場を席捲している状況だ。
ロシア材の大消費国・中国の誕生で、極東に残る貴重な森林資源の枯渇も心配される。 |
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| 図1 ロシア輸入木材の積み下ろしの様子(スイフンガ) |
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| モンゴルとの国境の町−エレンホト |
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ロシアとの国境に近い、内モンゴル自治区の都市エレンホト。周囲は砂漠に囲まれ、砂嵐となることも多い。訪れたのは7月末だが、その前日に今年初めての大雨に恵まれた。「日本から雨を運んでくれた」。現地からはこう歓迎された。半乾燥地帯だから山林もない。そんな町が、ロシア材の輸入基地として急成長している。
市街地の外れには貨車の積み替え地があり、ロシアから輸入された丸太は貨車のままにシートで覆っただけで薫蒸していた。丸太の場合、害虫が国内に侵入するのを防ぐため、薬剤薫蒸が義務付けられている。薬剤は健康を害する危険性の高いものだが、線路上の40車両もある貨車付近は立ち入り禁止でもなく、近くでは子供たちが遊んでいた。
エレンホトはモンゴルとの国境に位置し、通関地点には1日当たり30〜200車両の木材が入ってくるという。積載量は1車両当たり丸太が約80本。東シベリアのイルクーツクなどからのものが多いそうだ。貯木場には、薫蒸を終えた丸太の山が数十もあるだろうか。樹種もカラマツ、ヨーロッパアカマツ、シラカバのほか、ロシアでは伐採禁止になっている州も多いベニマツのような貴重種もあった。2000年から急激に輸入量が増えているという。
貯木場を案内してくれた製材業者の楊建忠さん(43)は、このすぐ近くに製材所を持っていた。屋外に旧式の製材機2台を置いただけ、従業員10人ほどが丸太を板に挽いていた。木くずを燃やした煙で乾燥させて出荷する。労働者は出稼ぎで月給は1,000元、日本円で13,000円程度だ。
「息子を米国に留学させたい」が楊さんの夢。税金の減免措置が得られる経済開発区を利用してエレンホト市内に大きな工場を作る計画だ。
20年前、エレンホトの人口はわずか3,000人だったが、今は7万人にも膨れ上がった。楊さんのような木材でひと儲けしようという木材屋や出稼ぎ者が集まり、市内のあちこちでビル建設も進んでいる。
ここで1次加工された木材は、四川省・成都や甘粛省・蘭州など中国西部や北京に輸送される。中国西部は政府の開発計画で建設資材の需要が伸びており、エレンホトは今後、ロシア材輸送の拠点になると思われる。 |
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| ロシアとの国境の町−スイフンガ |
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黒龍江省のスイフンガ。ここもロシアの沿海州ウスリー地方との国境の町。陸路でのロシア材輸入基地だ。ロシア人がバスで中国に日用品や衣料品を買い付けに来ているようで、中国側国境には大量の荷物を積んだロシアのバスが出国のため列を連ねていた。
スイフンガの町は、製材工場で埋め尽くされていた。その中でも大手で、2001年から操業を始めたというサンシン木業の土場には、30〜50cm級のミズナラなど広葉樹の大径木が山積みされている。年輪も数えるのが嫌になる樹齢100年以上がザラだ。 |
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図2 いたって簡単な屋外の賃挽き製材所が集合している(スイフンガ) |
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ほかにもタモやハンノキ、針葉樹ではカラマツやアカマツ。簡単な製材機で、こうした大木はみるみるうちに薄く板に加工されていく。
引き込み線の両側にこうした製材工場がひしめく。貨車からは、ひっきりなしにロシアから輸入された丸太が降ろされている。案内をしてくれた地元の人によると、スイフンガ全体では三千数百社の製材工場が集まり、年間700万m3の原木をロシアから輸入しているそうだ。日本のロシア材輸入量に匹敵するか、それ以上だ。 |
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| 原木輸入にこだわる中国 |
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中国の林業発展は対外開放政策により、1999年から林産物の貿易量が急増している。国内の天然林保護計画がこの年から実施されたこと、丸太への関税がゼロになり、輸入が自由化されたためだ。現在では日本を凌ぐ木材輸入国となった。
中国の2003年林業白書によると、2002年の林産物の輸出入額は214億9,000万USドルで前年に比べ18.5%も伸びた。内訳は、輸出額が20%増の95億8,000万USドルで、輸入額は18%増の119億8,000万USドル。木材貿易は赤字といったところ。
WTO加盟初年度となる2002年は、輸入関税率の引き下げによる影響を受け、林産物の輸出入に拍車をかけた。
中国は原木輸入にこだわる。家内産業である製材業を守っていくためだ。国内の天然林が禁伐となり、存亡危ぶまれた製材業だが、すたれるどころか、ロシア材による貪欲な輸入代替でむしろ拡大基調にある点も、中国らしい。
日本へもロシア材を加工した中国製品が輸出されている。大連にある中広家具有限公司は、日本の商社と提携して1990年にできた。集成材、手すり、フローリングを主とする。4年前まではすべて中国産木材を使っていたが、今では6割がロシア材を使う。国の資源保護戦略もあり、今後は原木調達ルートを熱帯林など多様化させたいという。
大阪の建設会社・田中産業は、製材業として最も早く中国進出を果たした。1997年に大連に集成材工場を操業。人件費の安さと、工場の生産規模に合わせ、いくらでも労働者を調達できる点がメリットのようだ。日本式の労務管理で24時間操業をこなす。それでも日本からの注文に追いつかないそうだ。
ここの土場にもロシア材が山積みされていた。樹齢100年以上の丸太が、板になり、数cm単位の角材に細切れされる。もったいない気持ちもするが、これらを再び貼り合わせ、柱や板の集成材に加工し、日本に輸出される。 |
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| 横行する違法伐採−消費の末端から木材流通変革を |
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こうした樹齢100年以上の原木は、果たして計画的に伐採されているのだろうか。林野庁によると、ロシアで生産される木材の30%以上、インドネシアでも50%以上が違法伐採という。中国の製材業者に聞くと、伐採・流通はブローカー任せが多く、違法かどうか気にする風でもなかった。
シベリア地帯の森林がいったん皆伐されると、その再生は難しい。以前、インドネシア、カリマンタン島の山火事後の被災地を取材した時は、5〜6年で低木が再生していた。それに比べ厳しい気候環境にあるシベリアで森林の回復・成長は遅く、元に戻るには数百年を要するだろう。熱帯林以上に、極東の森林資源を保護していく必要がある。
日本国内ではNGOが「フェア・ウッド・キャンペーン」を始めた。合法的に伐採された木材を輸入する動きだ。WWF(世界自然保護連合)や世界銀行によると、世界で流通する木材の20%近くが違法伐採や汚職に関係していると推測する。
違法伐採の木材はダンピングされて流通する。途上国(輸出国)では、切ってはならない区域や、切ったら植えるというルールがあっても、守られていないのが現状。そのため安価な木材が流通することになる。これを防ぐには、各国が伐採規範を作って守り、それに必要な環境コストを木材価格に上乗せすることが重要だ。
地球上で毎年失われる天然林は約1,500万ha。日本の面積の3分の1に相当する。違法伐採が恒常化している熱帯林や亜寒帯林は、特に森林破壊が深刻化している。希少な生物がすみかを追われ、地球温暖化を招く原因にもなる。
一方、日本の森林はどうか。毎年成長し、蓄積される分だけで国内の木材消費の7割はまかなえるという。しかし安価な輸入木材に押され、国内林業は不振が続く。森林資源は放置され、山村はますます過疎・高齢化が進んでいる。
木材景気に沸く中国国境地帯を見て思うのは、「木材の原産地を確認する」ことだ。消費の末端から木材流通を変えることはできるはずだ。消費者が国産材を選んで使えるような社会の仕組みづくりが急がれる。 |
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| 2.シリーズ顔の見える山村 <北海道下川町> 第2回 |
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昨年は、日本各地で天災による被害が相次ぎました。被災地、そしてそこに暮らすみなさまにお見舞い申し上げます。
下川は台風18号の暴風に襲われました。被害総額は、トドマツを中心に風倒木など林業被害が1億700万円、農業被害8,000万円、その他住宅、車庫、物置などを含めた被害総額は2億200万円でした。私にとって一番ショックだったのは癒しの空間として期待していたドイツトウヒの一斉林(0.69ha)が丸ごとなぎ倒されたこと。笹がなく柔らかな下層植生がいい雰囲気をかもし出していたのですが…。 |
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図3 10月5日、風害にあったドイツトウヒ林跡地での町有林50周年記念植樹(樹種:トドマツ、ミズナラ、ヤチダモ) |
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| 危機を好機に |
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本国ドイツでも1999年の大嵐「ローター」によりドイツトウヒの一斉林が壊滅的な被害を受けたそうです。有名な黒い森ではそうした被害地を近代林業の反省教材と言わんばかりにそのまま残して道をつくり、風害観察路としている場所があるとのことです。年間3万5千人もの人々が訪れると聞きました。自然から学ぼうという謙虚な姿勢、危機を好機に変える発想が素敵ですよね。
私たちの町にも危機を好機に変えた歴史があります。1981年10月24日、台風並みに発達した低気圧がもたらす強風と湿雪に襲われ、カラマツ林490haが壊滅的な被害を受けました。被害木のほとんどは樹齢の若い小径木で、まったく買い手がつかず、窮地に追い込まれました。そうした逆境の中で浮かび上がってきたのが森林組合の加工事業としてのカラマツ炭生産です。
このチャレンジは試行錯誤の末に実を結び、カラマツ小径木という当時の未利用資源の活用に道を開いただけではなく、様々な加工事業を複合的に組み合わせたゼロエミッション(廃棄物ゼロ)の木質資源利用へと展開していったのです。それは同時に森林組合の発展でもあり、現在では公官庁を除けば最大の雇用の受け皿となっています。移住者も多く、人材エントリーには常時数十名が待機し、ここでは担い手不足という林業の常識は当てはまりません。

図4 下川町森林組合の木材利用
現在では対外的にも評価の高い一連の取組みの原点となったカラマツ炭の生産ですが、当時は無謀と思われていました。そのプロジェクトXに、下川の挑戦者たちを駆り立てたのは、森づくりへの熱い情熱でした。
注 カラマツ炭誕生に至る挑戦者達のドラマについては、杉浦銀治編著(1992)『炭焼き革命 まちづくりと地球環境浄化のために』、原田四郎(前下川町長)著(1998)『森は光り輝く 北海道下川町再興の記録』(いずれも牧野出版)に詳しい。 |
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| 町有林へのこだわり |
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「お金もない、知恵もない。あるのは、自分たちで育ててきた木を見殺しにしたくない、森を生かし再び山を緑によみがえらせたい、という情熱だけであった」。
前町長の原田氏はその著書の中でこのように語っています。原田氏は、ちょうど1953年に町が国有林から総面積1,213.2haの森林を購入した際、林務担当職員として採用されて以来、伐採と植林を繰り返せる循環型システムによる町有林経営に一貫して取り組むことで、安定した雇用の場を確保し、森林組合を育成・強化してきました。そのための基盤として着々と町有林面積を拡大し、その路線を引き継いだ現町長のもと50年にして4,480haまで拡大しました。この中で50haを伐っては植え、60年後に再び伐っては植えるという循環型の森林経営を目指しています。
こうした循環型の計画的なサイクルの中で森林組合が力をつけてきた布石があったからこそ、カラマツの湿雪害という危機に対し、能動的に挑戦することができたのです。一時的な情熱だけでは危機を好機に変えることなどできないのではないでしょうか?下川では好機に備える地道な努力があったのです。それもまた情熱のなせる業かもしれません。
このような根幹となる歴史的背景があったからこそ枝葉にあたる今があるのです。 |
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| 閉ざされた常識の中で |
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町有林があったからこそ森林組合が成長し、森林組合があったからこそ新産業を創造することができ、雇用の受け皿が生まれ、人を呼ぶ吸引力が発生しました。そこに森林組合によるU・Iターン者の積極的雇用、商工会・森林組合・町の3者の実行委員会による森林・林業体験ツアーの開催というチャレンジが加わって移住者が増加し、その移住者が新たな力となってさらに人が人を呼び、元からの地域住民とも共鳴し合い、飽くなき挑戦への原動力となっています。
前回とここまでを読み返してみると「ずいぶんと素晴らしい地域に住んでいるんだなぁ」と我ながら思ってしまいます。だからこそ私は故郷の名古屋を捨ててここにいるし、ここ10年間で私と同じように何十人もの人々が移住してきたのでしょう。
一方で、私が日々感じる焦燥感はいったい何なのでしょうか?外部の人間には情熱的に行動していると評価されている人々がふと見せる表情の陰りは何なのでしょうか?
世界情勢は空前のスピードで変化し続けています。安定を求める時代は終わり、変化し続けることを前提とした生き方が必要なのでしょう。しかし閉ざされた常識の中で再生産される伝統や常識に絡め取られそうになります。前回お伝えした前向きな取り組みですら、実際に動いている人間がイメージするスピードと現実の動きとの間に大幅な開きがあります。スピードを遅らせる原因は、既得権者、変化に対応せずとも逃げ切れる世代、楽観主義者たちのどんよりとした抵抗でしょう。
原田前町長を始めとする先達が築き上げた循環型の森林づくりシステムとゼロエミッションの木質資源利用も、閉ざされた常識の中で教条的に引き継げば、古ぼけた遺物へと堕してしまうでしょう。現実がそうだと言っているのではありません。そうなる可能性があるという認識を常に忘れてはならないということを言いたいのです。
封建的・権威主義的な社会システムはそろそろ卒業して民主的でフェアな議論と意思決定を行うシステムへと移行したいものです。そのためには腰を据えて粘り強いアプローチを継続的に続けていかなければなりません。 |
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| システム変革が必要 |
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これは山村内部に限った問題ではありません。我々の暮らす社会システム全体が変革を必要としているのです。
例えば、フェアウッドを供給するためにはフェアウッドを望む都市の需要側が森林経営に参画するシステムが必要なのではないでしょうか。現在の森林経営は所有権偏重の意思決定システムですが、所有せずとも利用側が森林経営に参画できるシステムが必要だとは思いませんか?
1つの兆しとして自治体の「寄付による投票条例」制定の動きがあります。住民に限らず、ある政策メニューに賛同する人が寄付という投票行為を通じて意思表示できるシステムです。このスキームを森林経営に応用すれば、都市住民が森林経営に参画する機会となり、山村の閉ざされた常識に新鮮な風を送り込むことにもなります。
消費者としてフェアウッドの積極的購入を行い、市場を通じた直接的な影響力を行使するという手法と同時に、市民として森林経営の意思決定自体に参画するという手法も重要だと思うのです。
私は、今、具体的な提案を準備してます。もちろん私1人の力ではなく、地域内外の有志との協働作業です。これをカタチにしていくためには、さらに大勢の市民のみなさんの力が必要です。そのためには、ビジョンの共有が必要だと考えます。私たちはどこから来てどこへ向かおうとしているのか。
次回は私たちの目指す森林共生社会「森林ミュージアム」をご紹介し、そこへ向けての具体的な提案ができればと思います。 |
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| 3.東海地方で森のプレゼントプロジェクトが始まる! |
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2005年1月11日、豊田市にて「森のプレゼント」プロジェクト(以下「森プレ」)の記者発表が行われました。「森プレ」とは、フェアウッドを推進する国際環境NGO FoE Japanと(株)ログウェル日本、および豊田地域の木材取扱業者、NPOなどのコラボレーションにより、皆様の身近に間伐材、未利用材などを含め国産材製品を普及させようというプロジェクトです。
プロジェクト形成の背景やプロジェクトの目指すものなどについてご紹介いたします。 |
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| 豊田市の実績を引き継ぐ |
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事の発端は、愛知県豊田市によって実施された「矢作川水源の森 間伐材利用プロジェクト」(間プロ)。これは、矢作川流域の森林整備の促進と下流域市民への啓発のため、愛知万博会場に間伐材のベンチとテーブルを提供するという豊田市企画のもので、一般市民から製品のデザイン、試作、組み立てに関して公募にて行い、体験を通して間伐材普及をねらった参加型プロジェクトでした。
2003年9月より始まったプロジェクトの実績として、テーブル23基、ベンチ(2タイプ)198基を500名以上の一般からの参加により製品化しました。2005年3月25日までに愛知万博会場に設置、利用される予定です。
大成功に終わった間プロの実績を活かさぬ手はないと、プロジェクトに参加した(株)ログウェル日本の菅野知之社長は考え、継続する道を探っていたところ、折りしも台風による流域の山々の被害により、地域関係者の意気は一層高まり、協議を重ねた末、NGO・NPO、木材業界、一般市民、すべてが参加する「森プレ」が誕生しました。 |
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| 環境ポイント”環(カン)”を発給する森のプレゼント |
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図5 森のプレゼントプロジェクトのビジョン

図6 プロジェクトフォーメーション
「森プレ」は基本的には地域のプロジェクト実行委員会の主導により、間伐、製材、製品組立て、処分品の再利用、それぞれのパートナーの協力を得て、自治体やその他の公園など、一般市民の方々の身近な場所へ製品を寄付します。
その資金源としては、主にその地域の企業、団体、市民に対して、地域の森を持続可能な形で伐採利用していくことが、地球環境にプラスとなることを積極的に呼びかけ、基金を募ります。その対価として、「森プレ」事務局より、環境ポイント"環"を発給し、「環境波及効果」を評価するとともに一定期間ごとに表彰していきます。以下に具体的な活動内容を記します。 |
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| 活動内容 |
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| (1) |
地域の間伐材や老齢の伐採木などを原材料として、公園のベンチなど木製品に加工し、自治体にプレゼントします(寄贈) |
| (2) |
事業の推進のために寄金を拠出した企業、団体、個人、立木の提供者(山主、自治体)に「環境ポイント」を発給します(証書) |
| (3) |
さらに伐採、加工、製品化、廃材処理(再利用、燃料にするなど)に協力した業者、業界(協働者)に対し、貢献度に応じた「環境ポイント」を森のプレゼント事務局が発給、年間の高得点獲得者を公表します。 |
| (4) |
環境ポイントは、日本学術会議による二酸化炭素吸収、石油燃料代替、洪水緩和、水質浄化など森林の多面的機能の評価額、70兆円から計算した、立木1本当たりの多面的機能評価額と考えられる3,000円を基準とします。これを3,000ポイント=3,000[環]と数えます。 |
| (5) |
寄金については、1円を1ポイント=1[環]とします。寄金以外の貢献度は、事務局で査定します。
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| (6) |
個々の地域プロジェクトについて、伐採から製品化までの流通加工に関わる全過程をコーディネートする「環境波及効果監理者」をそれぞれ置き、監理者が伐採された樹木の処理を引き受けます(信託)。 |
| (7) |
監理者は、処理を任された樹木を製材に回して加工し、木製品(ベンチ等)にします。ただし、優良な材は原木市場などで競売にかけ、競売での収益は経費にあてます。 |
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プロジェクトが目指すのは、まず「森プレ」を持続的な活動として地域に根付かせ、関係者のネットワークを強固なものにすることです。それが十分に機能することで、地域内木材供給の再構築にもつながります。長期的には、取り組みの結果を検証し、ノウハウを蓄積した上で、この取り組みを全国展開し、国内の木材供給を再構築すること目指します。
また、海外からの木材に関する正しい情報を伝えていくことにより、国内市場における海外の不法材の抑制と自給率の向上を側面からサポートしていくこともねらいの一つです。
このプロジェクトへのお問い合わせは、森のプレゼント事務局までお寄せください。
(FWC事務局) |
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| 出版物のお知らせ |
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● Good Wood Good Business − グッドウッド、グッドビジネス
〜違法材と望ましくない木材をサプライチェーンから排除するための実践ガイド |
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サプライチェーン(供給者から消費者までを結ぶ、伐採・輸送・製造・調達・販売の一連の業務のつながり)でいかに確実に「グッドウッド」だけを扱えるようにできるかについて説明しています。
小売業者、製造業者、そして森林経営者、すべての方にとっても役立つガイドです。(全32ページ)
詳しくはこちらをご覧ください。 |
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発 行 : フェアウッドキャンペーン事務局 http://www.fairwood.jp 編 集 : 坂本 有希/三柴 淳一 |
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