フェアウッドマガジン
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プレ創刊2号
 
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フェアウッドマガジン プレ創刊2号 INDEX
1.全木連の違法伐採に関する声明について
(社)全国木材組合連合会(以下「全木連」という。)は、我が国の木材業、製材業、木材加工業を代表する唯一の全国団体です。昨年11月違法伐採問題に関する声明を発表しました。この声明は、一昨年全木連が設置した「違法伐採問題検討委員会」(座長 新潟大学農学部教授 荒谷明日児)における様々な議論を踏まえ、木材を直接取扱っている木材業界としての立場を表明したものです。
2.南洋材は使わない〜カタログハウスの商品憲法
 環境のことを考えて買い物をしたいと思っても、数多くの商品について情報を得ることも、その情報が適当なものかどうかを判断することも、一人の消費者には難しいもの。そんなときに役立つのがカタログ雑誌『通販生活』。ここに紹介されている商品は、カタログハウスが環境の視点も含めて性能や価格について徹底した比較を経て吟味した優れものばかりです。 消費という行為でどうしても避けられない環境への影響をできるだけ少なくするために何ができるのか−生産者と消費者の間の仲立ちをする小売業として、商品選択において先進的な環境基準を導入しているカタログハウスの取り組みを紹介します。
3.違法木材の輸入規制について欧州NGO・研究機関の提言〜Options for Europe
 欧州のNGOのFERNと独立研究機関の王立国際問題研究所(RIIA)が共同で、EU関連機関、加盟国政府に向けて、違法伐採木材、ならびにその木材製品のEU域内への輸入を規制するための提言書を作成しました。(Controlling the imports of illegally sourced timber: options for Europe) 違法伐採に対しては、グッド・ガバナンスの促進、腐敗に取り組むためのアクション、土地改革、産業・財政制度改革、開発援助、など多くの政策分野にまたがる対策が必要とされますが、本書では、EU域内への違法製品の輸入規制のみを扱っています。
4.違法伐採に関するアンケート〜木材流通・利用の上流から下流まで、不足する正確な情報
近年、G8サミット等国際交渉でも問題となっている違法伐採。欧米では行政、木材加工・流通業界、消費者(NGO)ともに問題意識が高く、具体的な対策も次々に取られています。一方、日本国内では、世界最大級の木材消費国であるにもかかわらず、その認識は低く、対策も遅れています。この現状を見るため、全木連、JATAN、ウータンがそれぞれ木材業界、木材利用業界、自治体に対して行ったアンケート結果を以下に紹介します。木材利用の上流から下流までのそれぞれの意識を窺い知ることが出来るでしょう。
 
1.全木連の違法伐採に関する声明について
 
全国木材組合連合会 角谷宏二 常務理事
(社)全国木材組合連合会(以下「全木連」という。)は、我が国の木材業、製材業、木材加工業を代表する唯一の全国団体です。昨年11月違法伐採問題に関する声明を発表しました。この声明は、一昨年全木連が設置した「違法伐採問題検討委員会」(座長 新潟大学農学部教授荒谷明日児)における様々な議論を踏まえ、木材を直接取扱っている木材業界としての立場を表明したものです。

まず、全木連の森林に対する基本的考え方は、健全な森林の育成と持続的森林経営の確立です。特に、木材が再生産可能な天然資源であり、その長期的、安定的供給が木材産業にとってもまた国民生活にとっても重要なことです。特に木材の持続的生産と適正利用が、地球温暖化の防止に役立つことを理解すべきです。

しかし、近年大きな国際問題となっている違法伐採は、森林環境に直接的ダメージを与えるばかりでなく、持続的森林管理を損なう恐れがあります。我が国は木材需要の大半を輸入木材に依存しており、木材生産国における木材へのネガテイブな印象は、木材利用の障害となる恐れがあります。

そこで全木連は、安定的木材供給と我が国木材産業の健全な発展を期すため、違法伐採問題に関し、先の声明を出したところです。

以下、この声明について全木連の考え方を説明します。
1.違法伐採の定義は、当該国の法律や条令に反して行われる森林の伐採・木材の搬出であると理解する。

違法伐採問題とは、主として木材生産国の法執行力の問題であり、違法性の定義についてもいろいろな解釈がありますが、一般的には、当該国の法律や条令に反して行われる伐採・搬出のこととされています。また違法な手続きによる木材貿易を含むと理解しています。

ここで「一般的には」としているのは、国際機関等で違法伐採という場合、このような定義に基づき議論しているためです。したがって本会の解釈もこれに従ったものです。

しかし、これにはまだ議論が残っています。それは違法性という意味に「持続的森林経営を阻害する行為」を含めるかどうかという点です。法律や規則に反していないが、明らかに森林の持続的経営の障害となるような行為は多く見られます。また「違法な手続きによる木材貿易」は違法伐採とは別に議論すべきであるという意見もあります。
2.全木連は、全世界の森林に対する森林生態系の維持に支障となる行為や持続的森林経営を阻害する行為等、森林の健全性を損なう恐れのある全ての不法行為に対し、強く反対する。

「全世界の」とすることによって我が国の森林を含め、持続的森林経営の障害になる不法行為に反対することを表明したものです。木材生産国に対し当会の立場を表明するとき内外で差があってはならないという意見に従ったものです。

また、「違法」でなく、「不法」としたのは、1.で述べた法や制度に反する違法行為以外にも持続的森林経営の障害となる行為があります。それらを含めて不法行為と考え我々は反対であることを明確に表明したものです。
3.全木連は、木材生産国が取組んでいる各種の違法伐採対策を支持し、その継続と実効性の確保に期待する。また、木材消費国がこれに積極的に協力することを求める。

この項では木材生産国の違法伐採対策に関する全木連の各国に対する期待を表明しました。実はこれは木材生産国、消費国に対するお願いでもあるし、生産国もっと頑張れ、我が国を含む消費国もしっかりしろという激励を含んでいます。
4.全木連は、傘下の木材業界に対し、明らかに違法に伐採され、又は不法に輸入された木材を取り扱わないよう勧告する。また、違法性が疑われる木材の取扱いについては慎重になるよう勧告する。

全木連は全国の木材業界を代表していますが、会員を拘束するような規定や会則を持っていないので、「命令」が出来るような組織ではありません。そのため、勧告という言葉を使いましたが、これでは余り迫力がないという意見もあります。しかしこれで業界各人の良心に訴えることによって違法伐採材の取り扱いに注意を払い、いつも心のどこかでこれは大丈夫かなと思っていれば、やがて疑わしいものには慎重になると思うのです。そして最終的には違法伐採材を排除する気持ちがみんなに伝わることで、目的が達成できると考えます。

ここで議論になったのは、何をもって違法適法を明確に区別するのかという問題であります。現状では違法性を証明するための広く認知された手段がないので、この項は精神論になってしまうという議論です。しかし、違法伐採問題を議論している中で、それが明確に分からなければ会員に何も言えないというのでは、全木連は何もする気がないと思われます。そこでとりあえずは木材業界に対し、違法伐採材に対する共通の問題意識を持ってもらいたいために、このような「勧告」を発表しようということになったものです。
5.全木連は、適法性を証明するための制度の導入、監視システムの設立等に関する木材生産国、消費国双方の関係機関の努力を全面的に支持し、必要な措置が早急に講じられることを期待する。その結果有効な制度が確立したならばこれを尊重する。

ここでは適法に伐採された材を対象に取引が行われることによって違法伐採材が排除されることを期待しています。

適法性を証明できるシステムが出来ればこれを利用することは有効な手段です。例えば、森林認証やラベリングのシステム、輸出国における輸出監視措置、トレーシング・システムなどいろいろ考えられていますが、いずれも実現化には難しい問題があります。

一方、輸入国の水際での違法伐採材排除についても、容易なことではありません。貿易手続きに問題がなく、国内法に違反していなければ、上陸をとめることは出来ないからです。
6.全木連は、持続的森林経営の実現に向け、違法伐採対策をはじめとする森林の健全性を確保するための国際機関及び各国の努力に敬意を表するとともに、我が国政府のこの問題解決に対する国際協力を全面的に支持し、今後一層の充実を期待する。
また、実施に当たっては全木連を含む我が国及び相手国NGO等の協力を得ることが必要と考える。

前段は国の政策に賛成し、2国間ののみならず多国間、地域間の国際協力の促進を念頭においています。そのためのODA予算の増加を促すものです。

後段は最近の流れとなっている内外のNGO・NPO法人の協力を得ることと併せて業界の意思を反映した対策であるべきと考えを付け加えたものです。その際、全木連も国際協力に一役買ってもよいという意思表示です。協力の内容は今後の検討課題です。
>全国木材組合連合会 http://www.zenmoku.jp
 
2. 南洋材は使わない〜カタログハウスの商品憲法
カタログハウス千葉慶一氏へのインタビューから
環境のことを考えて買い物をしたいと思っても、数多くの商品について情報を得ることも、その情報が適当なものかどうかを判断することも、一人の消費者には難しいもの。そんなときに役立つのがカタログ雑誌『通販生活』。ここに紹介されている商品は、カタログハウスが環境の視点も含めて性能や価格について徹底した比較を経て吟味した優れものばかりです。

消費という行為でどうしても避けられない環境への影響をできるだけ少なくするために何ができるのか−生産者と消費者の間の仲立ちをする小売業として、商品選択において先進的な環境基準を導入しているカタログハウスの取り組みを紹介します。

>カタログハウス http://www.cataloghouse.co.jp


【右図:カタログハウス新商品開発部課長の千葉慶一さん】
カタログハウスの商品憲法
カタログハウスは、地球の限りある資源を無駄遣いしないことを環境方針の基本理念に掲げ、販売する商品選択の基本となる「商品憲法」を定めています(下記)。その中で「こんな素材を使っている商品を売りません」と、ダイオキシン、二酸化炭素、化学物質過敏症などと並んで熱帯雨林対策を掲げ、南洋材を使ったものや原産地が不明な木製品を使わないことを打ち出しています。「どこまで実効性があるかというと、作り手の影響力には及ばないものの、消費者を啓蒙する影響力についての評価は高い」と語るのは千葉慶一さん(新商品開発部課長)。

小売業であるカタログハウスが環境問題への対策を考え始めたのは、「こだわりをもった商品を探していくと、おのずと環境負荷の少ないものになってきた。作り手が環境への対応を性能の一つとして捉えてきたことが大きい」と、千葉さんは話します。例えばノンフロン冷蔵庫。最近国産第1号が販売になったばかりですが、カタログハウスでは、もともとスウェーデン製の冷蔵庫を取り扱ってきました。オゾン層保護のために冷媒にフロンを使わない点が注目されるようになり、性能のいい冷蔵庫を求めてきた結果、ノンフロン冷蔵庫に行き当たったそうです。

1997年、「20年後シリーズ」という小冊子で森林破壊を取り上げ、まずは森林の消失面積が大きく、日本とも関わりの深い東南アジア産の熱帯材への対応を考えることから始めました。当時は、植林など伐採後の更新に関する技術が今より確立されていないこともあり、切ったら切ったままになってしまう状況を考えると、そういった場所の自然林を切る必要がないのではないかという結論に達したそうです。「熱帯材の状況は一般の人びとにも理解されているはずだが、いざ木製品を買うときには、やはり価格の安い外材を選ばざるを得ない。そこで、カタログハウスは南洋材産出7カ国の自然林を使わないことを決めた。」

商品憲法という厳しいルールを実行するために、カタログハウスは全商品について「環境負荷調査票」の提出をメーカーなどにお願いしています。原材料が何か、どんな加工がされているか、そして木材製品の場合は、樹種と原産国をメーカー等に報告してもらう仕組みで、自然林か植林された森から産出されたかどうかもわかることになっています。しかし、これがなかなか一筋縄では行かない作業だということです。「特に木材家具の場合、加工・流通経路が分業・細分化されている。分業化されている一つひとつの工程をたどること自体も難しい上に、場合によっては入手ルートというのが"企業秘密"の類になることもあり、情報開示したくないといわれることもある」と苦労を語る千葉さん。商品憲法を理解してもらうようメーカーやその取引先に説明を重ねたり、ルールを守ってもらうための情報を提供したり、メーカーや輸入業者に丁寧に働きかけを行っています。例えば、国産の針葉樹だけから作られるMDF(中密度繊維板)を製造する企業の紹介なども積極的に行っています。木製品に関する二つのルールについては、2003年中にすべての商品で代替材への置き換えが進み、もしそれができない場合は、その商品は『通販生活』に掲載されなくなるということです。
今後の木製品に関して懸念されるのは、違法伐採や違法取引された木材の識別とのことです。「送り手は合法だといって出してくるものを、受け手側で違法だと主張することは、認証制度やラベリング制度が確立されない限り、現状のままでは難しいのではないか」。今すぐに違法伐採問題への対応をとることは難しいが、「情報発信を続ければ、いつかは消費者の関心を呼び起こすことができる」と、小売業が消費者に情報を伝えることの大切さを強調します。さらに違法伐採問題の解決の切り札になるであろう、森林認証制度についても、すでにFSC(森林管理協議会)の認証を取った木材を使った商品をカタログに掲載しています。「ただしFSCはまだ外材が中心なので、一方で国産材も積極的に扱っていきたい」と千葉さんは語っています。

カタログハウスの商品憲法がメーカーを変える力を持つ背景には、年に4回発行の『通販生活』が150万部、年1回発行の『ピカイチ事典』が190万部という発行部数があります。つまりカタログハウスの環境対策を支持している買い手がこれだけいるということです。「環境だけでは商品は売れないし、売れなければメーカーさんもついてこない」(千葉さん)ということですが、商品選択に厳しい消費者がカタログハウスの環境問題への真摯な姿勢を評価しているといえます。また、カタログハウスの取り組みは、作り手と買い手の間を結ぶ小売業が情報を適切に発信することが、ビジネスとしても成功しつつ、グリーン購入を促進し環境問題の解決に貢献する可能性があることを示しています。
カタログハウスの商品憲法

【カタログハウスの商品憲法】
カタログハウスの商品憲法
第1条できるだけ、「地球と生物に迷惑をかけない商品」を販売していく。
第2条できるだけ、「永持ちする商品」「いつでも修理できる商品」を販売していく。
第3条できるだけ、商品を永く使用してもらうために、「使用しなくなった商品」は第二次所有者にバトンタッチしていただく。
第4条できるだけ、「寿命がつきた商品」は回収して再資源化していく。
第5条できるだけ、「ゴミとCO2を出さない会社」にしていく。
「カタログハウスはこんな商品は売りません」とする同社の21のルールから「熱帯雨林対策」を抜粋
(8)南洋材産出7カ国(マレーシア、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、シンガポール、パプアニューギニア、ソロモン諸島)とアマゾン川流域の自然林の木材(合板、MDFを含む)を使用した商品
(9)原産地が不明な木製品
(FWC事務局)
 
3. 違法木材の輸入規制について欧州NGO・研究機関の提言〜Options for Europe
 

欧州のNGOのFERN(Forests and the European Union Resource Network)と独立研究機関の王立国際問題研究所(RIIA)が共同で、EU関連機関、加盟国政府に向けて、違法伐採木材、ならびにその木材製品のEU域内への輸入を規制するための提言書を作成しました。Controlling the imports of illegally sourced timber: options for Europe

>FERN http://www.fern.org
>RIIA http://www.riia.org

違法伐採に対しては、グッド・ガバナンスの促進、腐敗に取り組むためのアクション、土地改革、産業・財政制度改革、開発援助、など多くの政策分野にまたがる対策が必要とされますが、本書では、EU域内への違法製品の輸入規制のみを扱っています。

提言は以下の5つから構成されています。

  • 違法行為への挑戦:既存の法規で適用可能なものを確認
  • 市場での合法製品の促進:合法的製品の市場流通を促進
  • 投資資金源の規制:違法性の疑わしい林業活動への投資を管理
  • 新たな対策手段:新しい取り組み、法規整備
  • 現実性と状況:取り組むべき現実的な問題を考察
Options for Europe

【Options for Europe】

結論として、幅広く考えられる違法伐採対策の中から下記の5つを、優先的に取り組むべき項目として示しています。

  • EU域内への違法伐採木材の侵入を禁止する、新たなEUの法規を整備する。これには、(生産国の合意の下)生産国で製品の合法性を証明するシステムを確立すること、及びEUでの輸入地点において製品の合法性を示す証拠を要求することが含まれる。
  • 生産国に木材の合法性を証明するシステムを確立し、生産国の林業業界および場合により森林関連法規を改善するような能力開発支援を実施する。
  • 政府の購買指針を利用し、合法かつ持続可能な製品を調達し、主要な木材製品市場からの違法木材の排除を図る。
  • 林業業界の資金源を規制し、疑わしい違法活動への投資がされないよう導く。
  • 違法伐採製品、及び違法伐採木材へのマネーロンダリングに対して、可能な場合は既存の法規を適用する。

以下に、このレポートからの抜粋を紹介いたします。


● 違法行為への挑戦
既存の法律と規制を用いれば、違法伐採木材の貿易を規制できる可能性がある。

違法製品
すべてのEU加盟国は、窃盗品に関する法律を持っており、ほとんどの場合、海外で盗まれたものにも対応する。この法律によって、地元住民の所有権が法的に認められている土地、及び保護地域からの木材輸入を停止するための法的手段を提供できる。

  • EU政府は、窃盗に関する法律の下で裁判を開始するため、生産国政府または土地所有権のある住民を支援すべきである。

マネーロンダリング
すべてのEU加盟国はマネーロンダリングに関する法律を持っている。もし違法伐採と違法木材の貿易が加盟国の法律において犯罪行為であれば、EU域内で預金または処理された場合、マネーロンダリングに関する法律の対象になりえる。

  • EU政府は、銀行、会計士、弁護士など、犯罪行為を間接的に取り扱うことになる機関に対し、林産業(とりわけ違法伐採が蔓延している国)に関係する顧客はマネーロンダリングに関わっている可能性があることを周知・指導すべきである。

CITES
ワシントン条約(CITES)は、限られた樹種にしか適用できないが、違法木材の貿易を規制できる国際的枠組みである。

  • CITESの輸出許可証の正当性を輸入地点においてチェックするための一貫したアプローチが採用されるべきである。
  • EU政府はCITES付属書により多くの樹種を登録するよう試みるべきであり、CITESのAppendix IIIに、より多くの樹種を登録するよう生産国に働きかけるべきである。

OECDガイドライン
多国籍企業のためのOECDガイドラインは、企業には拘束力がないとはいえ、署名した政府には拘束力があり、潜在的に関係がある。

  • 各国事務局は、その国に存在する林産企業に対してガイドラインの導入促進および実施状況の評価を行い、その結果を公表できるようにするべきである。
● 市場での合法製品の促進

合法的に生産されたことが証明できる製品の市場シェアを増加させるような政策手段をとることができる。

  • EU市場で運用される森林認証制度には、法規を整備し、加工流通過程での管理(Chain of Custody「管理の連鎖」)を証明・監視するための信頼できるシステムを確立するべきである。
  • 全てのEU加盟国は、政府の購買指針を変更し、合法性と持続可能性に関する基準を含むように適応させるべきである。
● 投資資金源の規制

EUにおける公的・私的資金からの融資は、生産国の多くの木材伐採企業およびその他の林産業部門にとって重要な資金源であり、これら資金の一定割合は違法行為を持続させることになっている。

  • EU政府は、金融業界を規制する法規や、社会的権利や環境を保護する法規は、EUの輸出信用機関(ECA)が融資や保険を与えた事業やプロジェクトに対して効力があることを保証するべきである。
  • 欧州金融業界の管理者である証券委員会は、林業業界の活動に対する具体的な業界ガイドラインを制定するべきである。このガイドラインには、EU金融市場で株式を上場する企業は、林業犯罪につながる潜在的リスクの公表を義務付けられる事を明記すること。
● 新たな対策手段

上述の対策手段は、違法伐採及び木材輸入を直接的にターゲットとしたものではない。したがって、新しい対策手段が必要である。

  • EUは、可能な限り広範囲の生産国・輸出国との2国間または地域間の協定について交渉するべきである。
  • EUは木材、木製品輸入のための許認可制度を確立するべきである。
  • 新たなEUの法律は、海外の法律を犯して生産された木材を輸入、輸出、輸送、販売、受理、取得、購入することを違法とする条項を含むべきである。
● 現実性と状況

上に述べられた案が実効性を持つためには、現実的問題に取り取り組まなければならない。

  • EU政府は、既存のChain of Custody制度の詳細なアセスメントを実施し、国、地域レベルで管理制度を開発できるよう、生産国政府を支援し、促進するべきである。
  • EU政府は、地域社会やNGOによる独立した監視活動を支援、促進するべきである。
  • 合法性証明制度の立案、確立のために、能力開発支援を行うべきである。
  • いかなる貿易規制手段に対してもWTOの関与を考慮しておく必要がある。しかし、我々が熟慮してきた制度には、WTOの関与を認めるべきではない。
(FWC事務局)
 
4. 違法伐採に関するアンケート〜木材流通・利用の上流から下流まで、不足する正確な情報
 
● はじめに
近年、G8サミット等国際交渉でも問題となっている違法伐採。欧米では行政、木材加工・流通業界、消費者やNGOともに問題意識が高く、具体的な対策も次々に取られています。一方、日本国内では、世界最大級の木材消費国であるにもかかわらず、その認識は低く、対策も遅れています。

この現状を見るため、全国木材組合連合会(全木連)、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)、ウータン・森と生活を考える会がそれぞれ木材業界、木材利用業界、自治体に対して行ったアンケート結果を以下に紹介します。木材流通・利用の上流から下流までのそれぞれの意識を窺い知ることが出来るでしょう。
● アンケートの概要
(1)全木連のアンケート

(社)全国木材組合連合会が、木材業者177社を対象に2002年の7月にアンケートを送付、有効回答数は156。回収率89%と高く、業界のこの問題に対する関心の高さを示しています。業態内訳は、製材業86、流通業65、その他が13、また、国産材中心が77、外材中心は61です。「森林違法伐採問題に関するアンケート調査結果報告書」として2002年12月にまとめられました。
http://www.zenmoku.jp
(2)JATANのアンケート

熱帯林行動ネットワーク、サラワク・キャンペーン委員会、ラミン調査会のNGO3者が共同で、熱帯木材の利用企業に対して「熱帯林の保全に向けた取り組みに関するアンケート」を行いました。2001年9月1日付けで79社に送付、21社から回答を得ました。違法伐採問題への意識の低さからか、NGOに対する不信感からか、回収率は27%と低調でした。回答企業の内訳は、建設8社、住宅建築5社、家具製造3社です。アンケートの結果は、同年11月20日付けで発表されています。
http://www.jca.apc.org/jatan/lib/tropques01.html
(3)ウータンのアンケート

NGOであるウータン・森と生活を考える会が、各自治体に違法伐採に向けた取り組みを求めるため、2002年4月16日に各都道府県と大阪全市にアンケートを送付。アンケートの回収率は、都道府県が68%、大阪全市が70%と比較的高い数値でした。アンケートの結果は、同年8月に発表しています。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/hutan/jichitaikyannpe-nn.htm
● アンケートの結果
(1)違法伐採に対する認識

木材業者を対象とした全木連の調査では、違法伐採を「知っている」業者が92%と、かなり高い認識度でした。また、日本にも輸入されていると思っている者が69%との認識を示しています。

JATANの木材利用業者に対する調査では、「インドネシアで生産されている木材の多くが違法伐採によるものである」ことについて、「認識していた」企業が43%あったものの、「認識していなかった」企業も43%もあり、木材業者に比較して問題認識が低いことが窺えます。

自治体を対象にしたウータンの調査では、66%の都道府県が違法伐採を「知っている」と回答しており、認識度は比較的高い事がわかります。
(2)現状と今後の対策

木材業者対象に「自社で取り扱う外材の中に違法伐採材と思われるものがあるか」との問には12%が「ある」と回答。42%が「わからない」と回答しており、違法伐採の識別が困難であること、疑わしいと考えている業者もかなりいると思われます。「違法伐採の疑いがある場合でも取引をするか」との問には、「取引する」が46%、「取引しない」が52%と半々でした。証拠が無い限りは疑いがあっても経営上取引をせざるを得ないとの選択と思われます。これは「明らかに違法伐採によるもの」と判明した場合は、「取引しない」と回答した業者が72%に増えている事からも読み取れます。また、「自分だけ取引しないわけには行かない」との答えが45%あり、業者間での競争上各自の自主的取組みに期待するのは難しく、業界の統一基準を設けたり、消費者側の意識を高めることが必要でしょう。また、「法的に禁止されていないから続ける」との答えも23%あり、関連する法規制の整備や解釈の見直しをする必要があります。違法伐採対策としては、「取引を法的に禁止する」が37%、「国際的ルール作成」が27%と、「木材業界が取り扱い自粛を宣言」するとした10%より多くなっており、業界レベルの対応より全ての者に拘束力のあるルールを設けることで、より公平な競争環境を維持したいと言うことでしょうか。

一方、木材利用企業では、違法伐採の疑いの強いラミン材の扱いについて、「扱っていない」または「停止した」企業が計77%となっていますが、「扱っている」もしくは「無回答」も計24%存在します。熱帯林の保全や持続可能な森林経営のために、「違法伐採材の輸入、利用を停止する」とした企業が24%、「現地の業者の操業状況を調査する」とした企業も24%存在しますが、「今後検討する」「現在検討していない」「無回答」も計24%存在しており、総じて対策には積極的でないようです。

消費側である都道府県自治体では、インドネシア産ラミン材の使用停止をしていると回答したのは2者のみ、さらに大半の自治体で、熱帯材、ロシア材の使用総量を把握できていません。違法伐採問題は知っていても、木材の産地は気にしておらず、対策をとるまでに至っていないことが窺えます。実際に「違法伐採が判明したら停止する」と回答したのは3割しかおらず、対策には消極的です。使用停止が困難な理由として、「情報不足」を挙げたのが4割となっており、実効性のある対策を取ろうにも、違法伐採を識別することが困難であるのは事実でしょう。
(3)認証木材に対して

違法伐採であることを証明するのは容易ではありませんが、木材伐採や流通の過程で環境に配慮したことを示すラベリングや森林認証などの制度が違法材の排除に有効です。木材業者を対象にした調査では、「コストアップになっても利用する」としたのは27%にとどまっています。「制度を見ないとわからない」が65%と大半を占めました。

一方、木材を利用する側では、「認証木材や国産材利用を推進」と答えた企業が57%に達しており、今後国内での認証制度が整備されてくれば、利用する企業は多いと思われます。
● まとめ

木材業者は、違法伐採問題に対しての認識は高く、違法であれば取り扱わないようにしたいとの気持ちが窺えます。しかしながら、経営上の理由から扱わざるをえない状況もあると見られ、業界統一基準や法規制などのルール作りが必要でしょう。

木材利用業者は、問題認識自体が低く、対策についても積極的ではありません。木材を利用して製品を生み出している者としての責任ある行動が求められます。しかしながら、認証制度に対しては前向きな姿勢が窺われ、木材業者に対して認証木材を求めるようになれば、違法伐採材の排除にも役立つでしょう。

各自治体は、認識は高いものの対策をとるまでには至っていません。行政として「違法なら取り締まる」姿勢が求められます。法規制を整備し、環境基本計画やグリーン調達、さらに入札時の仕様書に「違法伐採材の不使用」を明記することが有効な対策になりますが、まずは輸入先を把握することが必要です。
(FWC事務局)
 
 
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 発 行 : フェアウッドキャンペーン事務局 http://www.fairwood.jp
編 集 : 坂本 有希/中澤 健一
 
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