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商品選択に厳しい環境の目〜カタログハウスの商品憲法
商品選択に厳しい環境の目〜カタログハウスの商品憲法
カタログハウス千葉慶一氏へのインタビューから
環境のことを考えて買い物をしたいと思っても、数多くの商品について情報を得ることも、その情報が適当なものかどうかを判断することも、一人の消費者には難しいもの。そんなときに役立つのがカタログ雑誌『通販生活』。ここに紹介されている商品は、カタログハウスが環境の視点も含めて性能や価格について徹底した比較を経て吟味した優れものばかりです。

消費という行為でどうしても避けられない環境への影響をできるだけ少なくするために何ができるのか−生産者と消費者の間の仲立ちをする小売業として、商品選択において先進的な環境基準を導入しているカタログハウスの取り組みを紹介します。

>カタログハウス http://www.cataloghouse.co.jp


【右図:カタログハウス新商品開発部課長の千葉慶一さん】
カタログハウスの商品憲法
カタログハウスは、地球の限りある資源を無駄遣いしないことを環境方針の基本理念に掲げ、販売する商品選択の基本となる「商品憲法」を定めています(下記)。その中で「こんな素材を使っている商品を売りません」と、ダイオキシン、二酸化炭素、化学物質過敏症などと並んで熱帯雨林対策を掲げ、南洋材(※)を使ったものや原産地が不明な木製品を使わないことを打ち出しています。「どこまで実効性があるかというと、作り手の影響力には及ばないものの、消費者を啓蒙する影響力についての評価は高い」と語るのは千葉慶一さん(新商品開発部課長)。

小売業であるカタログハウスが環境問題への対策を考え始めたのは、「こだわりをもった商品を探していくと、おのずと環境負荷の少ないものになってきた。作り手が環境への対応を性能の一つとして捉えてきたことが大きい」と、千葉さんは話します。例えばノンフロン冷蔵庫。最近国産第1号が販売になったばかりですが、カタログハウスでは、もともとスウェーデン製の冷蔵庫を取り扱ってきました。オゾン層保護のために冷媒にフロンを使わない点が注目されるようになり、性能のいい冷蔵庫を求めてきた結果、ノンフロン冷蔵庫に行き当たったそうです。

1997年、「20年後シリーズ」という小冊子で森林破壊を取り上げ、まずは森林の消失面積が大きく、日本とも関わりの深い東南アジア産の熱帯材への対応を考えることから始めました。当時は、植林など伐採後の更新に関する技術が今より確立されていないこともあり、切ったら切ったままになってしまう状況を考えると、そういった場所の自然林を切る必要がないのではないかという結論に達したそうです。「熱帯材の状況は一般の人びとにも理解されているはずだが、いざ木製品を買うときには、やはり価格の安い外材を選ばざるを得ない。そこで、カタログハウスは南洋材産出7カ国の自然林を使わないことを決めた。」

商品憲法という厳しいルールを実行するために、カタログハウスは全商品について「環境負荷調査票」の提出をメーカーなどにお願いしています。原材料が何か、どんな加工がされているか、そして木材製品の場合は、樹種と原産国をメーカー等に報告してもらう仕組みで、自然林か植林された森から産出されたかどうかもわかることになっています。しかし、これがなかなか一筋縄では行かない作業だということです。「特に木材家具の場合、加工・流通経路が分業・細分化されている。分業化されている一つひとつの工程をたどること自体も難しい上に、場合によっては入手ルートというのが"企業秘密"の類になることもあり、情報開示したくないといわれることもある」と苦労を語る千葉さん。商品憲法を理解してもらうようメーカーやその取引先に説明を重ねたり、ルールを守ってもらうための情報を提供したり、メーカーや輸入業者に丁寧に働きかけを行っています。例えば、国産の針葉樹だけから作られるMDF(中密度繊維板)を製造する企業の紹介なども積極的に行っています。木製品に関する二つのルールについては、2003年中にすべての商品で代替材への置き換えが進み、もしそれができない場合は、その商品は『通販生活』に掲載されなくなるということです。
今後の木製品に関して懸念されるのは、違法伐採や違法取引された木材の識別とのことです。「送り手は合法だといって出してくるものを、受け手側で違法だと主張することは、認証制度やラベリング制度が確立されない限り、現状のままでは難しいのではないか」。今すぐに違法伐採問題への対応をとることは難しいが、「情報発信を続ければ、いつかは消費者の関心を呼び起こすことができる」と、小売業が消費者に情報を伝えることの大切さを強調します。さらに違法伐採問題の解決の切り札になるであろう、森林認証制度についても、すでにFSC(森林管理協議会)の認証を取った木材を使った商品をカタログに掲載しています。「ただしFSCはまだ外材が中心なので、一方で国産材も積極的に扱っていきたい」と千葉さんは語っています。

カタログハウスの商品憲法がメーカーを変える力を持つ背景には、年に4回発行の『通販生活』が150万部、年1回発行の『ピカイチ事典』が190万部という発行部数があります。つまりカタログハウスの環境対策を支持している買い手がこれだけいるということです。「環境だけでは商品は売れないし、売れなければメーカーさんもついてこない」(千葉さん)ということですが、商品選択に厳しい消費者がカタログハウスの環境問題への真摯な姿勢を評価しているといえます。また、カタログハウスの取り組みは、作り手と買い手の間を結ぶ小売業が情報を適切に発信することが、ビジネスとしても成功しつつ、グリーン購入を促進し環境問題の解決に貢献する可能性があることを示しています。
カタログハウスの商品憲法

【カタログハウスの商品憲法】
カタログハウスの商品憲法
第1条 できるだけ、「地球と生物に迷惑をかけない商品」を販売していく。
第2条 できるだけ、「永持ちする商品」「いつでも修理できる商品」を販売していく。
第3条 できるだけ、商品を永く使用してもらうために、「使用しなくなった商品」は第二次所有者にバトンタッチしていただく。
第4条 できるだけ、「寿命がつきた商品」は回収して再資源化していく。
第5条 できるだけ、「ゴミとCO2を出さない会社」にしていく。
「カタログハウスはこんな商品は売りません」とする同社の21のルールから「熱帯雨林対策」を抜粋
(8) 南洋材産出7カ国(マレーシア、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、シンガポール、パプアニューギニア、ソロモン諸島)とアマゾン川流域の自然林の木材(合板、MDFを含む)を使用した商品
(9) 原産地が不明な木製品
※南洋材(熱帯材)の取り扱いについて

カタログハウスでは、「南洋材産出7カ国及びアマゾン川流域の自然林を扱わない」理由として、熱帯地域の自然林の管理が十分に行き届いていないことを挙げています。熱帯林の破壊に意図せず荷担してしまうことを懸念しての対策です。
フェアウッドキャンペーンでは、同社の木材の原産地を追跡する努力や追跡する上での困難な点についてお話を伺い、上記の記事をまとめましたが、これに対して読者から次のようなご意見を頂きました。

> 熱帯の自然林の管理が十分でないことは残念ながら
> そのとおりの現状だと思います。
> ただし、産地国でも色々努力もしていることろであり、
> FSC認証された、森林もわずかですが出ています。
> (南洋材産出7カ国とアマゾン川流域の中にもあります)

この点について、カタログハウス・千葉さんに伺ってみました。
(以下フェアウッド事務局の質問から抜粋)
> 確かに途上国の貧困対策や発展を考えた時、全ての南洋材を排除してしまうことで、
> 現地住民の収入の道が閉ざされてしまうことにもなりかねません。持続的な森林管理
> を進めるためにも、違法伐採材など持続不可能な伐採木材のみを排除し、南洋材で
> あっても認証木材であれば活用していくのが望ましいことではないでしょうか?違法
> 伐採材の排除には識別上の困難、また認証木材の利用には消費者の認知、など一社の
> みで取り組むには容易なハードルでは無いとは思いますが、環境対策について日本の
> 小売業をリードする貴社だからこそ、このような期待をせずにはいられません。

この質問に対して千葉さんからご回答を頂きました。
>(同社の南洋材の取り扱いについて)ひとつ大きな誤認があるようです。
> 「南洋材の排除」は正確な表記ではありません。「南洋材産出7カ国及びアマゾン川
> 流域の自然林を使用した商品を扱わない」が正確な表記です。弊社では、持続可能な
> 南洋材は使用しております。ラバーウッド、メルクシパイン等です。弊社でも現状の政
> 策がベストとは考えておりませんが、流通の現場において「違法伐採材の識別」は、
> 困難というより現状、有効な対策を持ち得ません。FSCに関しても認証材の樹種によ
> り、加工、強度の点で家庭用品の素材として採用できないケースも多々あります。
> むしろ、そういった理由から、今後は外材に依存しすぎず十分に管理された森林の
> 国産材で魅力ある商品づくりをしていくことが重要ではないかと、考えております。

熱帯林においても、徐々にですが森林認証を取得するなど、持続的森林管理に向けた様々な取り組みが始まっており、消費国の側でもこの動きを支援していかなければなりません。違法伐採材を排除しつつ持続的管理をされた森林からの木材利用を推進していくことで、森林保全と現地の発展につながるようにして行くべきでしょう。

しかしながら、頭ではわかっていても、実際のアクションにつなげるには、まだまだたくさんのハードルがあるようです。商品開発の現場で、厳しい目で原材料を選別している千葉さんの言葉から、その苦労がうかがえます。

同社の原材料流通の追跡に対する努力は、木材産地の識別と違法伐採材の排除へもつながる大きな可能性を持っています。しかしながら、販売業者だけの努力では、世界の森林を違法な伐採から救うことはできません。私たち一人一人の消費者が、木材の生産に関心を持ち、環境や現地社会への影響を無視して不当に安い値段で取引される木材を使わないようにしなければならないのです。

また、フェア・ウッド・キャンペーン事務局としては、以上のような経緯を踏まえて、当初の記事の見出し「南洋材を使わない〜カタログハウスの環境方針」という記事の見出しを「商品選択に厳しい環境の目〜カタログハウスの商品憲法」に訂正いたしました。本来のカタログハウス社の意図とは違う印象を与えるきっかけになったこと、お詫び申し上げます。

(FWC事務局)
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